夜尿症
1 夜尿症の特色
夜間に排尿しても気付かず眠ってしまういわゆる夜尿症は思春期以後まで続くことはまずありません。
問題となるのは、昼間遺尿を伴う夜尿症であり、チックが男性に多いのに対して女子に多く
チック同様自己表現が充分に伝わり切らない状況で起ってきます。
神経系、泌尿器系に異常のない例では、緊張した昼間は、何事かに熱中し我を忘れるか
周囲に気づかってこらえているときに、急に現実世界が介入するかの様に少量の排尿が子供を
おびやかします。
夜間は、ようやく得た安らぎから思う存分に排尿してしまい、現実へもどりたがらない。
遺尿症の子供は、日本の文化の中では4ー5歳から、周囲の目によって強迫的にされることが多い。
早すぎる育児、清潔さを求めすぎる育児、失敗体験をとりもどすよりせめたてる育児など、文化の
産み出した文明病といえます。
2 治療
夜尿・遺尿にについては、低年齢ではなるべくその事自体を気にさせず、高年齢では自分の責任で
処理させる他は、当人からの相談がなければ放置する。
当人の訴えは家族内力動から、学校・友人の対応に対するものまで多様に広がる事が多い。
強迫的な傾向を増強しない限り思春期に完治するが、その間、安心して自分を曝け出せる他者に
強い転移感情を寄せることが多い。
修学旅行、移動教室などに際して不安を訴えることが多いが、この様なときの失敗はまれである。
どうしても不安が強ければ、Imipraminをその間使用してもよい。
行動療法は、完治率が期待される程多くないばかりか、強迫観念を増強する事がおおく、非常に
限られた例以外は禁忌である。病弱児養護学校などでの治療は、一生消えない強迫体験を
植えつける例が少なくないので、グループワークは設定に留意を要する。