第159回クリニカルカンファレンス 2002-4-25 大阪赤十字病院より 担当新居先生
小児の腹痛
○小児の腹痛
外来診療で、発熱に次いで多い主訴である。痛みの訴えの中では一番多い。
その最終診断の我が国の統計はないので、外国文献より引用すると(ここでは引用していない)、
○小児の腹痛の訴え
腹痛は自覚症状であるから『ことば』で訴えることはできない乳幼児では判定が難しい。
「何となく元気がないj、「ときに顔をしかめるj、不機嫌、蹄泣、いつもと様子が違う
などが腹痛のサインであるかもしれない。
学童以上になると、痛みの部位を指摘できる。
○腹痛の発生機構
体性痛(somatic pain)
内臓痛(visceral pain)
関連痛(referred pain)_強い内臓の刺激が続くとき離れた体性の表在器官や皮
膚に局在した痛み。
| 内 臓痛 |
体性 痛 | |
| 発痛機序 | 管腔臓器の痙攣,伸展,拡張
臓側腹膜の刺激 |
壁側腹膜,腸間膜,横隔膜など
への刺激 |
| 伝導路 | 内臓求心経路(自律神経) | 脊髄求心経路 |
| 疼痛部位 |
腹部中心線上対称性,限局しない | 非対称性,限局性 |
| 性 状 | 鈍痛から応痛まで様々 | 刺すような鋭い痛み |
| 自律神経症状 | 有 | 無 |
| 体位変換 | 軽快することあり |
増悪する |
| 薬物治療 | 鎮痙剤が有効 | 鎮痛剤が有効 |
| 外科的処置 | 不要 |
多くは緊急手術 |
○小児腹痛の原因
日常外来診療の中でよく見られる原因としては
急性胃腸炎
便秘
肺炎・喘息など激しい咳に伴うもの
扁桃炎・上気道炎などに伴うもの
(a)急激な発症か慢性か?
(b)間歌的か持続性か?
(C)随伴症状は?
下痢;便の性状、回数、血便の有無
嘔吐;胆汁性か? 回数は
発熱、腹満、腹部手術の既往、排尿痛、咳、喘鳴など
○年齢別腹痛の原因
| 乳児期 (〜2歳) | 幼児期(2〜5歳) | 学童期 | |
| よく みられるもの |
●コリツク ●急性腸炎 |
●急性胃腸炎 ●尿路感染症 ●便秘 |
●急性胃腸炎 ●尿路感染症 ◎急性虫垂炎 |
| ときに みられるもの |
◎腸重積 ○尿路感染症 |
◎急性虫垂炎 ○ヘノッホ・シェ 一ンライン紫斑病 ◎腸重積 |
○周期性嘔吐症 ○ヘノッホ・シェ 一ンライン紫斑病 ○起立性調節障害 ○胃・十二指腸潰瘍 |
| まれに みられるもの |
◎嵌頓そけいヘルニア ○牛乳アレルギー ○腸軸捻転 ○急性虫垂炎 |
○肺炎 ◎嵌頓そけいヘルニア |
○肺炎 ○腹部腫瘤 |
伝導路 自律神経系(内蔵神経など)
脳脊髄神経(体性神経)系の求心
の求心線維主に無髄性細経の 線維(知覚枝)、主に有髄性中等
C線維 経のA一δ線維

