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排便のしつけで最も大切なことは、子供が腸の制御調整という点で、どの成長段階に
あるのかをよく観察するということである。
大部分の乳児は第一年目には排便という点に関しては全く無関心であるのが普通であって
下部腸管が満たされると、僅かの刺激で排便をしてしまうので母親には全く排便の時期は
分からないものである。
非常に規則的で、朝の哺乳や食事の数分後に必ず排便するという乳児もあって、このような
小児では動作を観察していると排便を事前に知ることも出来る。
この様な場合は、便器を使ってもよい。
しかし排便が不規則な小児では1年末満にこのようにするのは無理であり、またしても意味が
ない。
つまり、この時期に便器がうまく使えるのは単なる条件反射的なものであって、意志による
ものではない。
ところが生後第2年目になると小児自身も 排便に気付くようになり、やさしく指導すれば
便器につくことも出来る。
しかしその反面第2年目とくに12カ月一16カ月頃に、便器を嫌がり、パンツをはかせた
途端にしてしまうこともおこりがちである。
この場合は便意がよく分るようになって来たが便器はいやだという表示であると考え、母親は
決してムキにならず、小児の嫌がらない範囲で便のしつけをすることが大切である。
つまり便器についても嫌がれば強制しないで、おむつやパンツをはかせ、はかせてすぐ排便を
しても決して叱らないようにすることである。
ことにこの時期は自我のめざめによる反抗期に入ってくるので、しつけのむつかしいことも多い
しかし1年半から2年のころになると、何かの動作で排便のサインを示すようになり、パンツを
汚すと気持のわるいこともわかるようになるものである。
また,模倣を利用して成功することもある。
例えば、兄弟や友達が便所で排便をするということを知ると自分から同じようにやりたくなり
一生懸命に便所に行くようになる。
排便に便器を使うしつけは、2歳をすぎるころまで大体成功するが、子供によっては反抗期に
入るためかえって協力を拒む場合がある。
前述のように便器を嫌がることが2−3週間から2−3カ月間も続くこともあるが、子供が
便器につくことを拒んだら、汚してもよいからパンツをはかせることである。
殆んどの子供は母親の指導があれば急がなくとも2年の後半になればたいていわかるようになる
母親は叱らず、始末をしてやりながらよく説明して今度は便器でするように話すのがよい。
2歳以上になっても子供が全く無関心でまた、失敗をしても気持悪がることもない場合には
おむつを外してしまって、汚してもよいパンツ(training pants)にするか、部屋の中では
パンツをはかせないでおいてもよいそして、排便があったらどうなるかを体験させるとよい
便所に誘うことは一切しないで、こちらから排泄に関しては何も口にしないことである。
母親の態度は排泄に関しては常にやさしく、失敗は決して叱らず、父や,兄姉がどのように
してトイレットにゆくか、清潔に保つとどんなに気持がよいかを次第に教えてゆくことである。
しかし独り紙をつかって仕末ができるようになるのは4歳すぎである。
5歳 に達してなおいつもパンツの中へ排便をしてしまい、かつ知能障害のない場合は
心理学的な治療を必要としよう。
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