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いわゆるかぜは上気道炎で発熱もさしてなく、軽度の咳、鼻漏程度の場合が実際には多数を
しめる。
その大部分はウイルス性であるので、特別な原因療法はない。
従ってその治療は次の程度でよいでしょう。
発熱が38度をこえる場合(あるいは特に細菌感染症が疑われる場合)には,細菌の混合感染の
予防の意味で抗生剤を短期間に限り用いる。
ただし使用する以上は通常の使用量を下熱後1日までは用い、熱がさがったからといって直ぐに
止めない。
解熱剤は原則的には用いたくないが、使うならばアセトアミノフェン(ピリナジン、カロナール)
程度にする。
咳、鼻水には鎮咳剤、抗ヒスタミン剤などを与えるが、鼻水だけの症例には効果は期待しにくい。
鼻水だけではなるべく抗生剤を飲まないで欲しい。
著しい鼻水のある場合や鼻閉の時はプリビナなどの点鼻剤を綿棒で鼻腔につけてやるとよい。
これらの点鼻剤はごく稀にショックをおこすことがあるので多量に滴下するのは避ける。
うがいは年長児にはすすめてよいが、年少児には当然むつかしい。
特に薬剤を与える必要はなく、誤って飲み込んでもよいように水でさせて差し支えない。
ルゴ−ル等を塗咽するのは、成人にはあと気持がよい利点があるが、小児には必要でない。
むしろ医者嫌いにする原因になりかねないので行いたくない。
かぜを引きやすいが抵抗力をつけるにはどうしたらよいか
生後5−6カ月までは母親から胎盤を通してうけとる先天免疫(免疫グロブリンIgG)の
存在で多くの感染症に抵抗をもっている乳児も、半年をこえる頃からは感染をうけるたびに自ら
免疫を獲得してゆくことになる。
かぜの原因の大多数はウイルスであり、かぜウイルスは現在でも数百種類知られ、かつ数回の
繰返し感染ではじめて十分な免疫を得る場合もあるので、かぜにくりかえしかかるのは当然です。
生後1年をこえて外出などで感染の機会がふえ、ことに保育園、幼椎園へ行くようになれば
きわめて頻々とかぜをひく筈です。
入園した最初の数カ月はおそらく毎週のようにかぜをひくことがある。
一生のうちでもっとも感染症にかかりやすい時期です。
同じウイルスの感染をうけても症状が出ない(不顕性感染場合から鼻水だけという場合
さらには高熱を発する場合というように症状の重さに差が出ることも経験されるがこうした差は
ウイルスの毒性のほかに子どもの側の抵抗力にも左右される筈です。
かぜに対する抵抗力をつけるには、個体のもつ発病抑制力を高め、閾値を上げることをする。
自律神経の適応力をよくして上気道粘膜の炎症をおこしにくくするような努力としていわゆる
皮膚の鍛練(皮膚がピンク色なる程度までタオルでこする)をし、かたよらぬ栄養をとり
ビタミン不足を防ぐ(ことにA.Cなど)こともする。
また愛情に欠けた環境に育った乳児は何故か感染に対しても抵抗力が弱いことも経験上知られて
いるので、夫婦仲の良い健全な家庭が必要です。
生後半年末満の幼若乳児は免疫産生能力が不備であり、発病した時は重症になりやすいので
感染の機会も少くするよう努める必要がある。
このためにはかぜをひいている年長児や成人をなるベく近づけぬこと、無用の外出をさける
ことが必要です。
生後半年末満の子どもはかぜを引かないとの誤解しているおかあさんもあります。
また(免疫グロブリンIgM)は胎盤を通過しませんので、大腸菌(その他グラム陰性桿菌)、
百日咳菌、結核菌などは生後直後からでも感染し、しかも重症になる可能性があります。
生後半年末満の子どもが発熱した場合は、早く小児科医を受診して下さい。
なおインワルエンザワクチンがいわゆる「かぜ」には効きません。誤解しないようにして下さい。
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